東海サルサ歴史館第3回は、知る人ぞ知る「刑務所ライブ」
☆「刑務所ライブ」
まだ、Conjunto Domesticoとなるよりはるか前、レロライ例会でチャカポコと パーカッションセッションをはじめて1年ぐらいの頃、当時岐阜刑務所刑務官 だったマエストロ小栗さんの勤務先岐阜刑務所にて開催された矯正展で、出し 物として出演した。1984年11月の風が強い日だった。
バンド名もなく、メンバは
- アルベルト(Kb、Vo)
- Hyde(Conga、Coro)
- 横井(Bongo)
- マエストロ小栗(Timbales)
- あらき(Bajo)
であったと記憶している。現Timbalero小幡はまだ登場していないかった。
このバンド練習場所は例会以外はエクトール野口氏のアパレルの問屋の店舗だ った。
刑務所ライブと聞いて、正直メンバはこわごわであった。
「檻のある監獄の中で、やるのだろうか」
とか
「こわもての囚人の前で、やじられながらやるんだろうか」とか憶測が飛び交 った。
☆矯正展
矯正展というのは、刑についている人達が、日常さまざまな作業をする中で、作られる主に家具などを展示即売するもので、だいたいにおいて、デキ映えは 素晴らしく、また、価格は安いとあって、人気がある。
また、地域社会に刑務所を公開する、お祭りとしても機能していますが、刑についている人達が表に出てくるわけではないし、一般の人が中まで入っていけるわけでもない。
展示即売以外にもさまざまな催しがあって、職員や、地域の方々が出演してい た。そんな中での出演で、要するに、小栗さんのお手伝いというわけ。
ステージが刑務所前の広場にしつらえられて、そこで演奏した。
といっても、まともな演奏が出来たわけではなく、ただ一曲Estrellas De Faniaを延々つづけて、Soloをまわしただけのように記憶している。
このときのBajoあらきは、ちょっとあやしげな男だったが、なかなか男前でもあった。彼はこの刑務所ライブ前後しばらく在籍し、小栗さんが在籍していた羽島のビッグバンドのトラもいっしょに参加したと思う。
☆マエストロ小栗
小栗さんは、レロライ創設メンバで、当時羽島のビッグバンドのパーカッショニスト他、ぼちぼちいろんなところへ顔をだしていた。ほとんど独学で習得されたと伺っ たが、軽やかでいぶし銀といったプレイが印象的だった。
小栗さんとはその後、春日井のBig Band春日井カントリージャズオーケストラのリズム隊の方々で作るラテンフュージョンバンドがパーカッションを探して いるというお話が私のところに来て、ご紹介したりしたが、結局、後に現在の Conjunto Domesticoとなる我々のバンドには参加せず、福井の方へご転勤となった。また、もどってきているという話しも聞いたが、どうしておられるか。
記憶に残っているのは、その春日井のラテンバンドにいた元ちょんわかんの安さんというパーカッショニストと小栗さんと私Hydeで、吹上のファッションショーのバック演奏(といってもテープに合わせて叩くというもの)をしたあと、 セントラルパークへ繰り出してストリート演奏をしたこと。3人でワワンコーもどきをやったりして、なんとも楽しい経験だった。
(レロライ~名古屋サルサ通信~ #0003 2000/08/24から)